Pura Vida Days

自然、豊かさに導くインスピレーションの源泉(クロード・モネ)

耕作放棄地のチガヤ対策:除草剤以外のアプローチを考える

耕作放棄地の水田を、色々な草花の育つ野原にしたい。

チガヤ、ススキ、セイタカアワダチソウが繁茂するなかで、一番手ごわいのがチガヤです。

チガヤに退いてもらうには、除草剤しかないといわれますが、その手は使いたくない。ほかに、方法はないものかな?

春が来る前に、考えてみました。

国際機関お墨付きの生命力

国際自然保護連合(IUCN)が2000年に定めた世界の侵略的外来種ワースト100に名を連ねていることはよく聞きます。のみならず、IUCNのデータベースをみると(Global Invasive Species Database)のサイトでは、世界強害雑草10の一つに上げられていました。

素晴らしく発達した根茎システム、痩せた土壌への適応性、干ばつ耐性、遺伝的可塑性、火への適応性など強靭な生命力で、恐るべき侵入雑草に数えられているのです。

怖いものなし。

チガヤ・ススキ体験

ススキも除去が大変だと言われますが、ツルハシがあればそれほど困難ではありません!

株がしっかりしているので、ノコギリ鎌で対処しようとすると大変時間と労力がかかります。けれど、ツルハシで掘り起こせば、けっこう太く育った株でも女性の力で10分ぐらい。

地上部が細いチガヤは、一見ススキより簡単そうです。

エノコログサのような草と同じようにいくかと思いきや、根を地中にしっかりと張り巡らしていて簡単には抜けません。しかも、四方八方に伸びている根がやわらかくて、取り除きにくい。さて、どうしたものか。

ダブルアプローチ

刈り続ける

除草剤を使わない方法として、オーソドックスな草刈りがあげられていました。根気よく刈っていれば、光合成ができなくなったチガヤは弱っていくというものです。

あの広い面積で、根を除去してたら自分の体を壊しそう。現実的ではないので、地上部を刈り取ることにしました。イネ科の草の成長点は地際にはないことから、効率化をねらって高刈りにします。

土壌環境を変える

しかし、根が残っていると復活してくるのも、地下茎植物の強みです。

強酸性で貧栄養の土壌を好むチガヤ。再生力を弱めるために、土壌の酸性度をアルカリ性に傾けたらどうだろう?ありがたいことに、木灰や細かい炭はたくさんあります。

さらに、緑肥作物のクローバーをまいて、窒素固定をはかる。

クローバーは、繁殖力が強くて、草丈も低いのでチガヤを刈るときにも傷つけない。

そして、ミツバチの蜜源にもなってくれる!

具体的な方法

春になるまでに、

  • ススキの株、チガヤの枯れた葉、去年刈って放置してある枯草をある程度取り除く
  • 地面に日光がとどく状態にして、木灰や炭の粉を散布
  • しばらくしてからクローバーの種をまく

春以降

  • 伸びてきたチガヤは高刈りを繰り返す
  • 穂はつけさせない

で、試してみようと思います。

昨年5月に花束にしたチガヤの穂

<参考資料>GISD (iucngisd.org)菅原清康, 1979, 熟畑化過程における雑草植生の変遷に関する研究:第1報 作付体系と収量, 雑草ならびに土壤の化学的性質との関係, 農作業研究, 26:23-29;国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/自然探訪2014年4月 チガヤ (affrc.go.jp)外来植物のセイタカアワダチソウを衰退させ在来植物を中心とする植生に誘導する -土壌環境をコントロールしてセイタカアワダチソウの蔓延を防ぐ- (プレスリリース 2011年12月19日) (affrc.go.jp)