稲を育てたい!
少しだけ、試してみることにしました。
今年はじっくり観察して来年につなげるトライアルイヤー。
用水路につながっていない山間部の棚田、雨水だのみの天水田です。
種籾には、そんな環境でも力強く生き抜いてくれそうなハッピーヒル(うるち)を手に入れました。
しばらく使われていなかった田んぼで、種籾100gの挑戦のはじまりです。
ハッピーヒルとは?
強稈で倒伏に強い。
耐干性もあって、雑草にもまけない。
そのうえ、多収穫で食味もOK。
水田だけでなく陸田にも向く、と聞けば、厳しい環境の我が田んぼにぴったりです。
ハッピーヒルは、自然農の大家福岡正信さんが、ビルマの長稈大粒のもち米と、日本の穂重型の品種を交配して1986年に育成・固定した品種です。ハッピーヒルは福岡さんの苗字からきています。種籾は、野口種苗研究所から購入しました。
ハッピーヒルの収穫期は11月。
実りの遅い晩生なので、寒い地方には向きませんが、どうかすると10月も日中は半そでの当地では問題ありません。
種まきの準備
野菜ならば、種はそのまま畑やプランターにまくだけ。
いたってシンプルですが、稲の場合、しっかりした良い苗を作るために、前準備のための技術が開発されています。前年収穫したのを種籾として使うためかな。
- 温湯消毒:60度の湯に10分間漬けることで、病原菌や虫を消毒する
- 塩水選:濃度を調整した塩水を使って、充実した種籾とそうでないものを分ける
- 浸種:数日間水につけて、発芽ぞろいを良くする
今回は種屋さんの種籾なので、温湯消毒と塩水選は省きました(今思うと温湯消毒はやっておいたほうが良かったと後悔)。
4月24日に、種籾をネットに入れて水をはったバケツにいれました。
種籾の吸水には温度が影響します。
発芽の始まる含水率25%に到達するのは、水温×日数=100。水温10度なら10日~12日間、20度なら4~5日間の計算です。
種苗箱に種まき
202424年4月下旬、当地では雨が多くて気温は低め。
発芽までに時間がかかるだろうとのんびりしていました。
ところが、5日目の4月30日で、種籾はわずかに芽が出て膨らんだハトムネ状態に。
ごく一部、芽(しょう葉)が伸びてしまっているものも。
酸素不足だと、しょう葉だけ伸びて根は伸びない。無駄に栄養分が使われてしまうのでその後の生育にひびきます。
急遽、種まきをしました。
新聞紙をしいた育苗箱に土をいれ、種もみをまきます。
大きな苗に育てて、雑草に負けないようにしたいので、1箱あたりの種籾の量は30gと、超薄まきにしました。
覆土したものを雨に当て、軒下に重ねておいています。
芽が出てくるのはいつでしょう?
そして、6月の田植えごろには、立派な成苗に育っていますように!